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浅田 次郎 出版社:文藝春秋 価格: ¥ 660
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2008年、この本に出合えて良かった。
「壬生義士伝」
タイトルから察するに、切った張ったの剣劇小説 ・・・と思いきや・・・
浅田次郎さんって、こういう小説を書く方なんですね。 嬉しい誤算でした。
新撰組、最強とも謳われた吉村貫一郎。
故郷に残した家族への仕送りの為、彼は剣を振るう。
「わしは死にたかね。死にたかねから、人を殺したのす…」
「…わしは一所懸命に働いて、 必ずや銭こば送るゆえ、しばし辛抱して呉ろ」
読み慣れない南部訛りは何時しか耳に馴染み、
盛岡の美しい山野さえ目に浮かびました。 sakomi |
感動しました
ちょっと南部訛が読みにくかったんですが、慣れてくる頃にはその訛が愛おしくなってきました。ぜひ最後まで読んでいただきたいと想います。この本に影響されて、南部盛岡に旅行に行ってしまいました(笑)
生きる力強さを感じた素晴らしい本です。 ぽぽん |
小説で初めて号泣しました
小説を読んで号泣したのは初めてでした。幕末の、政治も人の心も明日はどこに向かうのか混乱を極める中、その只中にあってひたすら己の信じる義にのみ戦い、死んだ人の話です。あまりにも切なくて、美しい生き様にとにかく涙が止まりませんでした。当時、吉村と共にあった人が語り部となり、聞き手に語りかけてくるという進め方が、より吉村の人物像を立体的なものにしていくます。 れん |
幕末を皮膚感覚で感じたい人に
とんでもない名作です。次代に読みつがれるのではないでしょうか。貧しさに立ち向かい、家族を養うため、南部藩を脱藩してまで新撰組に加入し、給金をすべて送金し家族愛を貫いた文部両道の士、吉村貫一郎の生き様を柱とする幕末時代小説。かつて吉村にかかわった人(たとえば斉藤一)に大正期に語らせるスタイルにより、我々の生きている時代からさほど遠くないところに幕末をうかび上がらせることに成功しています。ひとつの時代や一人の人について多くの人に語らせることにより、当時の様子が重層的に浮かび上がってき、読者に忘れがたい印象を残します。作者が紡ぎだし連ねていく一つ一つの言葉は、叙情の中にも気迫がこもっており、読者の心をひきつける力があります。幕末に起きた途方もない出来事と、それを経験した人の思いが、実際にこのようであったのだと読者に心から確信させるだけの圧倒的なものをこの著作は持っています。幕末を皮膚感覚で感じたい人に、それに極めて近いものを提供してくれるのがこの作品です。多くの人にとって忘れがたい大切な作品になるのではないでしょうか。 pp-tang |
浅田次郎、会心の一作(かな?)
「きんぴか」「プリズンホテル」「極道放浪記」「鉄道員」「地下鉄に乗って」ときて、次に手にしたのがこの「壬生義士伝」だった。
いろんな人間の手垢が付きまくった「新撰組」というテーマ。
浅田次郎は吉村貫一郎という、南部藩の貧しい家族を食わせるために脱藩し、新撰組となり、
人を切ることで見栄も外聞もなく銭をかき集め、故郷に送金する、
ものすごく格好悪いが、心優しいサムライを登場させることで、彼の「新撰組」を編み出した。
吉村の家族、親友にして藩の上役、そして壬生浪人(みぶろ)、尊皇攘夷派の面々・・、
幕末という吉村が生きる抜き差しならぬ武士の世の中で、
それらとは到底相容れない親子愛、家族愛、友人愛という矛盾、
言い換えればこの時代の武士が己に問いかけてはならない、
『裸の、一個の、身分など関係ない、人間としての正しい道』という矛盾を激突させる。
その激突は、必然的に溶鉱炉のように真っ赤に煮えたぎり、読者の感情を揺さぶる。
大阪南部藩屋敷で、親友であった大野次郎右衛門から切腹を申し渡され、
部屋一面血の海と化して、貫一郎が静かに死ぬ場面でピークに達し、息子の五稜郭での死でさらに涙を誘う。
この小説の最後の部分には大野次郎右衛門から、藩に一連の状況を報告する候文が書かれているが、
この時代にその概念としてさえ存在しない「人間正義」という矛盾した四文字に、
この小説が数多くの男たちを泣かせる秘密が凝縮されているのではないだろうか。
「男を泣かせる小説を書く男」---浅田次郎、会心の一作・・・かな?。
候文で終わるこのやり方は遠藤周作「沈黙」にそっくり。 麟太郎 |
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